キーマンインタビュー

生産・販売・原価を管理、製造業向け国産SCMパッケージ「MCFrame」

日本製造業の要求クオリティに応える国産SCMパッケージ

羽田雅一氏
東洋ビジネスエンジニアリング株式会社
執行役員
プロダクト事業本部長
羽田雅一氏

東洋ビジネスエンジニアリング株式会社は1991年に日本初のSAPパートナーとしてERPビジネスに乗り出した、日本ERP業界の老舗だ。SAP導入支援の他に、フルスクラッチ開発も数多く手がける中で、日本企業の要望に応えるべく開発され、1996年にリリースされたのが「MCFrame」だ。

MCFrame」は基幹システムのフレームワークとなるべく企画・開発されたパッケージソフトだ。業務機能を部品化することで再利用を可能にし、企業のニーズに合ったシステムを短期間かつ低コストに構築することを実現している。

「日本の製造業は世界的に見ても非常に質の高い製品を送り出しています。その分、利用するシステムに対しても質や機能に対する高い要求があり、コストにも厳しいのです。そのため海外製品のローカライズやフルスクラッチ開発ではなく、日本の製造業の要求に応える機能を持ち、なおかつ柔軟な拡張性を持ったアーキテクチャの製品が必要でした」と執行役員 プロダクト事業本部長の羽田雅一氏は語る。

導入が容易なパッケージソフトの中でも、自由度の高いフレームワークというスタイルをとったのは、日本の製造業が持つ「強み」をつぶさないためだった。内容が固定されたパッケージに合わせて業務フローを改善すると、その企業の独自色や強みが薄れてしまいかねない。「物を作ることがコア業務で、システムは関係ないと考える企業もあります。しかし物づくりの仕組みそのものがコアであると考える企業も多いのです。そうした企業に、独自色を保持したまま業務効率化を実現できる仕組みを提供しています」と羽田氏。

従来はERPを必要とするのは中堅企業や大企業が多かったが、ここ数年で原価管理の必要性が見直され、中小企業にも需要が出てきた。そこで、2009年からは原価管理機能をSaaS形態でも提供している。「中小企業だけでなく、本格導入前のテストケースとしても活用されています」と羽田氏は語る。パッケージは半年程度で導入可能だが、SaaSの場合は2~3ヶ月で利用開始できるため、手軽さも魅力になっているようだ。

導入後のシステム変更が容易なのも魅力だ。フレームワーク内での機能追加や変更が可能なのはもちろん、画面追加などをユーザー自身が行うことができる。「Excelを不自由なく使える程度の方であれば、1日程度のトレーニングで画面の新規作成や変更を行うことができます。つまり、業務の中で日々見つかる改善ポイントを即座に、コストをかけずにシステムに反映できるのです」と羽田氏。物づくりの仕組みをブラッシュアップすることで製品の魅力が増すと考えるならば、システム改善にかかる費用と時間は物づくりの障害だともいえる。ユーザー自身のカスタマイズを可能にすることで「MCFrame」はより良い製品作りと、製造業の成長を支えているのだ。
リリースから14年を経た「MCFrame」は、現在約200社以上、1000サイトで導入されているという。

MCFrameの製品ラインアップ

MCFrameの製品ラインアップ


高い信頼性と機能を武器に海外市場にも展開

日本の製造業は海外に製造拠点を持っていることも多い。海外拠点とのやりとりをスムーズにするために、英語と中国語には標準で対応している。また、導入を担当するSIer次第で他言語への対応も可能だという。「スペイン語に対応した例があります。辞書を用意し、言語による表示欄の大きさの違いを吸収できる画面デザインを構築すれば他言語表示にも幅広く対応できます」と羽田氏は語る。

現在、日本の製造業への導入数を増やすとともに、新たに狙っているのは海外事例の増加だ。すでに中国に進出した日系製造業内での認知度の高さと機能への高評価が認められ「最優秀日系製造業ERPソリューション賞」を受賞するなど、海外での実績も増えてきている。「タイでの現地法人で2009年から営業活動を開始しており、中国でも2010年2月から開始予定です。日本のSCMパッケージは非常に優秀ですから、海外でも認められると考えています。従来は日系関連企業での採用が主でしたが、今後は現地法人での採用を増やしたいですね」

MCFrame」には人事・会計関連の機能が搭載されておらず、SCMに絞り込んでいるため、他ERPシステムと組み合わせた採用例も多い。すでに大手のERP製品が導入されている企業での採用も十分に考えられるため、世界市場での活躍はかなり期待できそうだ。

また、ユーザー会が充実しているのも「MCFrame」の特徴だ。パートナー経由での販売比率が高いため、通常導入時にユーザーの声を聞くのは難しいが、ユーザー会を通して積極的にユーザーの要望を取り入れている。ユーザーの利用状況を間近に見る中で、期待が寄せられるのはOracle DatabaseおよびOracle Application Serverの性能だ。

MCFrame」は当初からOracle DatabaseおよびOracle Application Server上で動作していましたが、大量データを決まった時間内に確実に処理できることや、止まらずに動くことなど、信頼性を非常に重視しています。オラクルには今後も期待に応えて欲しいですね。また、データの分析や仮想化などユーザーの需要も多様化していますが、オラクルの持つ各種製品を活用し、一体となってお客様の多彩な要望に応えて行きたいと考えています」と羽田氏は語る。導入して終わりではなく、企業と共に成長し続けるSCMパッケージである「MCFrame」の今後の展開にも期待したい。

企業プロフィール

東洋ビジネスエンジニアリング株式会社

1987年に東洋エンジニアリング株式会社産業システム事業本部として新設。1991年には日本初のSAPパートナーとしてERPビジネスを開始した。1998年から10年連続でSAP Award of Excellenceを受賞している。1996年に自社開発パッケージ「MCFrame」をリリース。海外拠点会計パッケージ「A.S.I.A.」も含め、製造業向けに特化したITシステムを提供できるベンダーとして活躍している。

http://www.to-be.co.jp/